バンケット

by  チャーリー岸田      

  知り合いに、バンケット業に従事する女性がいるのですが、最近この女性に聞いた話です。

  普通バンケットなんて言うと、ホテルのパーティーのコンパニオンなんぞを思い浮かべるのですが、最近では結婚式のさくらの仕事が多いそうです。
 元々バンケット業では派遣仲人なんていう仕事があり、これは新郎新婦が職場の上役や親戚などに仲人を頼みたくない場合に、金を払って仲人を派遣してもらうシステムです。これは昔からあったそうです。
 そこでその延長で、結婚式の参列者を派遣するような業務を始めたところ、これが結構繁盛しているんだそうです。
  彼女の場合、新婦側に雇われて、当然新郎新婦ともに初対面なのですが、

「新婦の×子ちゃんの職場の同僚です。」とか「高校時代の同級生です。」
とか言ってスピーチなんぞもしてしまうそうです。

  どうしてこんな需要があるのかと言うと、たとえば新婦が高校中退の元ヤンキーで、風俗産業で働いていた場合など、同窓生は居ないし本当の同僚を呼んだら相手方に過去がばれてしまう。などの場合に依頼が入るそうです。
 なるほど。と思ったのですが、最近ではこれとは違ったパターンがあるそうです。

「友達の居ない普通のOLが参列者のさくらを雇う。」
のだそうです。
 これっていったい何なんでしょうね? 当然さくらの方も、普通に結婚式に参列しているわけですから、他の参列者から「新婦の××さんは、高校時代はどんな子だったんですか?」なんて聞かれたりして、これも適当に答えなければいけないわけで、かなりの演技力を要求されるため、このようなさくらを対応できるのは、そのバンケット屋の中でも少人数だそうです。しかし、その連中は休日になるとフル回転で披露宴のハシゴだそうです。

なんだかなー。
 

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